歴史上のカリスマリーダーに悪人が多い理由 impress QuickBooks [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • アンリミテッドにて読了。興味深かった。とくにムッソリーニとフランコについては知らなかったので、とても面白かった。
    ちょっと文体が読者を楽しませるよりも、自分の研究を書きたいといった感じのところがあり、興味を失わせる個所もあった。ゆえに星は三つ。

    下記にハイライトした個所をコピペ:

    34
    青色のハイライト | 位置: 50
    ローマ帝国の第3代皇帝。カリギュラ(カリグラ)という通称が広く知られている。共和政ローマでアウグストゥス(オクタヴィアヌス)が初代皇帝となり、ローマ帝国が成立してから間もない時代の皇帝だ。

    メモギリシャの共和制はポリス一つで限界、っと言うことだろう。

    青色のハイライト | 位置: 56
    つまり、当時のローマでは共和政が是とされていたが、巨大化したローマにおいて市民全員が参加する共和政が成立するわけもなく、1人の人間に権限の大半を集約させるに至ったのである。

    メモギリシャの共和制はポリス一つで限界、っと言うことだろう。

    青色のハイライト | 位置: 136
    劇の冒頭でカリギュラが発した命令は次のような内容だ。 ・全国民は子供の相続権を放棄して国を相続者とする。 ・デタラメな順番で並べたリストに従って国民を殺す。

    メモカミュの描いたカリギュラの奇行。

    青色のハイライト | 位置: 148
    カリギュラは享楽のために国家財政を破綻させた狂気の皇帝として、歴史に残っている。


    青色のハイライト | 位置: 169
    それにもかかわらず、歴史的評価においては、カリギュラが狂気の皇帝と断罪される一方で、ティベリウス帝を批判して見せ物を求めていた大衆は免罪されている。歴史書に出てこないというのは一種の特権である。評価対象にならない、評価の範囲外にある……という理由をもって事実上、責任を逃れているのだから。

    メモティベリウスは財政を豊かにした。

    青色のハイライト | 位置: 175
    それは初代皇帝アウグストゥスのような英雄の登場を求め、現実主義のティベリウス帝を非難し、同時に享楽をもたらしたカリギュラを断罪した実に大衆的な狂気である。

    メモ確かにその通り。

    オレンジ色のハイライト | 位置: 226
    小アグリッピナの行動は、ユング心理学で言うところの太母(グレートマザー)そのものである。


    青色のハイライト | 位置: 227
    子供を自分から切り離された存在であると認めず、保護するという名目でコントロール下に置き、青年期を迎えても決して独立した個人としての振る舞いを許さない。グレートマザーによる保護は慈愛の皮をかぶった束縛であり、子供の成長を妨げて結果的に破滅へと導くことになる。


    青色のハイライト | 位置: 324
    しかし、コンスタンティヌス1世はキリスト教を公認したという理由で聖人に列されている。


    青色のハイライト | 位置: 356
    嬴政 が秦王となる前から、秦では中央集権的な官僚制度が整備されていた。 嬴政 から数えて6代前にあたる孝公の時代、法家の思想家― 商鞅 が整備したものである。


    青色のハイライト | 位置: 360
    法家は"人間の本質は悪である"という立場を採り、放っておけば怠惰に流れるものと見なす。そのため、家柄・身分に関係なく人を律し、恐怖と厳罰で管理する手法を用いた。


    ピンク色のハイライト | 位置: 361
    儒家(儒教)の徳治主義が道徳、礼儀によって人を導くことを重んじたのとは対照的だが、確かに徳治主義は君主による恣意的な賞罰を招きやすい。


    ピンク色のハイライト | 位置: 428
    世界遺産となった万里の長城は明の第3代皇帝―永楽帝(在位1402~1424)が建造したものだ。位置も大きく異なり、始皇帝の長城より南方である。


    ピンク色のハイライト | 位置: 689
    そもそもスターリンはロシア人ですらない。ロシア帝国領グルジア地方出身であり、人種的にはグルジア人(現:ジョージア)である。


    ピンク色のハイライト | 位置: 745
     こうしてトロツキーを左遷し、さらに全役職解任に追い込んだスターリンだったが、トロツキーは海外に亡命して反スターリン主義の共産主義勢力―第四インターナショナルを組織する。


    ピンク色のハイライト | 位置: 801
    要するに、共産主義自体が、工業化を経た先進国での運用を前提としたものだったのである。  ロシアのように工業化が遅れ、穀物調達すらおぼつかないような"貧しい農業国"での運用など、もとより想定されていない。


    オレンジ色のハイライト | 位置: 803
    封建制度、重商主義といった前近代的な制度が倒れた後に資本家が台頭し、工業化した資本主義国に共産主義革命が起こる……というのがマルクスの想定した革命である。


    オレンジ色のハイライト | 位置: 1,239
    ただ、学校への反抗心が強い一方、ムッソリーニの学力はかなり高かったようである。"1人でいることを好み、あらゆる強制や懲罰に反抗する反面、どの科目も一読するだけで暗記し、試験成績は圧倒的だった"という学校側の記録が残っているからだ。


    オレンジ色のハイライト | 位置: 1,256
    まず、ムッソリーニはローザンヌ大学で聴講したヴィルフレード・パレートの社会学に影響を受けた。パレートの社会学は人間の非理性的行為に着目するものである。人間は理性ではなく、感情、本能によって突き動かされ、その行動を後から合理的に説明し、正当化する……と考えたのだ。


    オレンジ色のハイライト | 位置: 1,260
     パレートに言わせれば、権力は常に力がある者が奪取し、その力を失った時には力を持った別の者に渡る。歴史は何も進歩しておらず、その時によって力の獲得手段が異なるに過ぎない……というわけだ。


    青色のハイライト | 位置: 1,263
    この時、ムッソリーニの中で"議論によって他者を論理的に説得し、支持を拡大する"という手法……、すなわち民主主義を幻想として否定する考えが固まったのだろう。


    青色のハイライト | 位置: 1,287
    ちなみに、ソ連のレーニンも知識人を主体としたエリートによる革命を志向したが、ムッソリーニは知識、理論ではなく行動によってエリートを規定しようとしたところが大きく異なる。


    青色のハイライト | 位置: 1,426
    ムッソリーニ自身はナチスの反ユダヤ主義に懸念を表明していたし、アドルフ・ヒトラーのように政敵を粛清するような真似もしなかった。


    青色のハイライト | 位置: 1,443
    まず、ファシズム誕生の原点は人間の理性に期待するのを諦めたことだ。国民が理性的に政治的判断を下し、参政権を行使する……という民主主義の原則が成立しないことを受け入れたわけである。


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,503
    ムッソリーニが本来、意図していたファシズムは恐らく、(民族主義を積極利用することを除けば)極右ではなく左派寄りの新しい社会主義だったのだ。


    ピンク色のハイライト | 位置: 1,585
    ちなみに『我が闘争』では当時、ほとんど無一文の生活を送っていたかのように書かれているが、これは"無一文から総統に成り上がった逆転劇"を喧伝するための虚構である。ヒトラーが住んでいたアパートはそれなりに立派なつくりだったことが分かっているし、身なりも一見してインテリ層と分かるような服装だったそうだ。父―アロイス、叔母―ヨハンナの遺産がそれなりの金額に上り、さらに絵はがき、ポスターなどを販売して多少の収入を得ていたことから、悠々自適に生活していたものと思われる。


    青色のハイライト | 位置: 1,667
    しかし、ベルリン進軍は実現せず、ナチス党員がバイエルン州のミュンヘンに集結した段階で鎮圧された。ベルリンに行き着いていないため、この出来事はミュンヘン一揆と呼ばれる。1923年11月9日のことであった。

    メモミュンヘン一揆はイタリアのファシスト党のまね。

    青色のハイライト | 位置: 1,813
    実際、弱体化したスペインを救ったのは確かであり、現在でもフランコの墓には献花が絶えないほどだ。ファシズム、指導者原理の外枠を借りてはいたものの、あくまでも本質は保守主義者であり、しかも、それなりに有能だった……と評価するよりない。


    黄色のハイライト | 位置: 2,064
    フランスではプロテスタントのことをユグノーと呼称したため、以降、本項ではプロテスタントをユグノーと呼称する。

    メモフランスのカルバン派のこと。

    黄色のハイライト | 位置: 2,066
    ユグノーの盟主となったのはブルボン家のナバラ王アントワーヌである。ナバラ王国はイベリア半島のパンプローナ(現:スペイン北東部)に位置する小国であり、当時のナバラ王はフランスの諸侯であった。

    メモフランス側のバスク?

    オレンジ色のハイライト | 位置: 2,163
    確かにカトリックはユグノーを弾圧したが、ユグノー陣営もカトリック虐殺を行っている。それにもかかわらず、多くの書籍・webサイトの説明には"巨悪のカトリックに立ち向かった正義のユグノー"というニュアンスが見え隠れしているのだ。


    オレンジ色のハイライト | 位置: 2,258
    そもそも、アイアン・メイデンの存在自体、公式の記録には一切見られず、小説や伝聞の中に書かれているだけだ。そのため、アイアン・メイデンは空想上の拷問具であり、後世、空想に基づいて実作されたもの……というのが歴史家の間における通説となっている。


    青色のハイライト | 位置: 2,261
    ちなみにレプリカの1つ―"ニュルンベルクの鉄の処女"が東京都千代田区の明治大学博物館に展示されているので、もし興味があれば足を運んでみると良い。アイアン・メイデンだけでなくギロチン、獄門台(晒し首の台)など数多くの処刑器具、拷問器具が展示されており、(あくまで史料としての話だが)一見の価値はある。


    青色のハイライト | 位置: 2,305
    家系に由来しないサイコパスの一例はフランスのジル・ド・レだろう。ジャンヌ・ダルクを支えて英仏百年戦争を戦い、フランス救国の英雄となったが、後に錬金術・黒魔術に耽溺し、最大1,500名ほどの少年を拉致、殺害したとされる。少年を陵辱した上で殺害することに性的興奮を覚えていたとも言われているが、ジル・ド・レの財産を狙う者たちによって宗教裁判にかけられた経緯から、罪状は少なからず誇張された可能性がある。

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